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追補編 3

『Dr.μ(ドクター・ミュー)』

ヒッピーウッズに診療所を構える、エレンの育ての親。人嫌いな40代後半の女性で、本名は不明。
12年前、まだ幼かったエレンを連れ、ヒッピーウッズにやってきた。

カーネルとは古い知り合いのようで、何かと邪険にしている。


『シリウスとシベリア』

人に育てられ、森に帰れなくなった白狼の兄弟。
エレンとは幼い頃からの仲で家族同然に育ったためか、他のクリーチャーと違い人間に不信感を抱いていない。しかし、兄シベリアはかつて目の前で親を殺されたため、どこか人間不信が拭えずにいる。


『長老婆』

本名 ソフィア・スパスキー。
人間村の長老。
半世紀前に西から大陸を横断してきた世代の生き残りで、ヴラジのヤギ髭の老人とは知り合い。
80歳近い高齢かと思われるが、全く老いを感じさせない立ち振る舞いをする。背筋が曲がっていないのに、なぜか杖を持っている。
クリーチャーを森の守り神と考え、共存する道を説く。


『アイザック・スパスキー』

エデン教会の牧師であり、アイザック派の指導者。次期長老と目されている。
元帝国軍人で、村に入った後、ミーシャと結婚し長老一族の婿養子になる。当初は長老婆の考えに賛同していたが、クリーチャーに妻を殺されたことを契機にクリーチャー撲滅を掲げ、独自の宗派を立ち上げた。


『ピョートル・スパスキー』

アイザックの一人息子。
エレンに想いを寄せ、エレンのように森に出られなかった自分を不甲斐ないと思っている。
父アイザックの考えには賛同しかねながらも、少しでも社会的地位を得ようと「ヒッピートレイル」では祭司を務める。


『ミーシャ・スパスキー』

長老婆の一人娘。アイザックの妻。快活で包容力があり、ミューが慕った数少ない村人。
2188年の疫病の蔓延により病死する。

『エレン・リーフィ』

クリーチャーと心を通わす少女。安全な森の中で育ったせいか半ば恐れ知らずになっており、誰に対してもフレンドリー。
外出時には白いローブを身につける。
森の外へ旅立つことを夢み、白狼兄弟と共に森の中を駆け回っている。

《人物》

『ライカ』

人を憎み、村から離れた灯台島で暮らす鎧の人物。全身が錆び付いており、日々オイルを求めている。
クリーチャーを操る能力を持つようだが、その正体は……?


『シルバ・サルマーン・アブラハム』

白髪の15歳。西の諸国の
出身で、英雄になることを夢見る。



《勢力》

『ポプラの民』

ヒッピーウッズの人間村に住む、自然と平和と自由を愛する人々。
村人の7割はヴラジの民と共に西方から渡ってきた移民の子孫だが、残り3割は帝国を脱してきた貧民である。
そういった経緯もあって彼らは「自然への回帰」を提唱しており、伝統や制度、科学技術やそれによる産物を嫌う。


『エデン教会』

人間村に根をはる宗教団体。
ヒッピーウッズの中心にある研究所跡を「聖域」と呼び、そこに住むとされるポシェト神を信仰している。
収穫祭の夜に「ヒッピートレイル」と呼ばれる生贄の儀式を行うが、それを主催するアイザック派と反対するソフィア派に内部分裂しており、村人全員がそのどちらかに属している。


『アイザック派』

アイザック・スパスキー率いる宗派。
エデン教徒の7割を擁し、メンバーは全員、首に木のネックレスをかけている。
そのほとんどが移民してきた世代の子孫で、外の世界を知らずに育ったため安穏としている。
「森は人間が神から授かった楽園であり、クリーチャーのものではない」「共存するのは構わないが、人間に危害を加えるなら排除すべき」と主張する。
年々クリーチャーによる農作物荒らしが深刻になり、村が食料不足に陥ったことも手伝い増長していった。


『ソフィア派』

長老婆率いる宗派。
メンバーは腰に木のネックレスを巻いており、ほぼ全員が元帝国国民。それゆえに外の世界の恐ろしさを知っており、「クリーチャーは外敵が森に侵入するのを防いでいる、共存すべき存在」と考えている。
しかしアイザック派に比べ人数が少なく、主張が通らない状態にある。



《地理・場所》

 

『ヴォストーク区』

大連帝国の6大植民地のひとつ。帝国の北東に位置し、国内で唯一、東洋系ではなくスラヴ系の民族が暮らしている。
ヴラジを区都とし、帝国の軍需品の生産と修理を担う。


『スラブヤンカ』

荒野と砂漠の境にある区内第二の街。閉鎖されたヴラジに代わり区の貿易の中心を担う。
帝国軍の航空隊が駐留しており、酒場兼宿屋の『酔った小熊亭』に訪れては金を落としていく。


『ヒッピーウッズ』

ヴォストーク砂漠の東に広がる巨大樹の
森。ポシェト湾を囲むように緑が広がっており、クリーチャーと人間が共存している。半世紀前に長老婆をはじめとする移民たちが入植し、現在も住みついている。

その外観と砂漠の果てにあるという地理上の問題から、ヴォストーク区の人々からは半ば都市伝説扱いされているが、帝国は以前からその存在を気に留めていた。しかし内部はクリーチャーの巣窟と化しており、帝国もなかなか調査に踏み切れずにいた。


『人間村』

ヒッピーウッズの中にある人間の土地。塀に囲まれた小さな村で、毎年1月の収穫の時期には盛大に祭りが催される。
ポプラの民は基本的にこの塀の中から出ることができないが、村には至って安穏とした空気が流れている。


『ウッドストック農場』

ライ麦、豆、カブなどを生産する人間村の生命線。

奥の館に住む長老一族が運営している。
村人たちには畑が均等に分け与えられ、自給自足の生活を可能にしている。近年はクリーチャーに畑を荒らされて困っている模様。


『聖域』

ヒッピーウッズにある古い研究所。
旧世紀には生体兵器の研究が行われていたようで、ヒッピーウッズはおろか、ヴォストーク区に生息するクリーチャーの温床と思われる。
アイザック派はここを、ポシェト神が祀られている場所として崇めている。


『灯台島』

ポシェト湾に浮かぶ小さな島。島は中心に行くにつれ盛り上がっており、頂上にある灯台はライカの住処。ヒッピーウッズのほぼ中央に位置し、森全体を見渡せる。



《文化》

『収穫祭』

毎年1月9日に人間村で催される祭り。村中に蛍光幕が張り巡らされ、広場では大量の料理が振る舞われる。


『ヒッピートレイル』

収穫祭の最後に行われる生贄の儀式。
アイザック派が主催する。
普段の生活圏である塀の中を出て「聖域」まで移動する様から、かつて旧世紀時代に流行ったとされるヒッピーの旅行運動と名をかけ、こう呼ばれるようになった。


『帝国元』

帝国領内で流通している紙幣。主に首都とその周辺で使われており、地方植民地ではあまり浸透しておらず倦厭されている。



~ To be continued to Chapter 4 ~

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